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根本匠厚生労働大臣が代表を務める「自由民主党福島県第2選挙区支部」が、2012年から2017年の6年間で除染作業を請け負った会社(汚染土除去を含む)から534万円もの政治献金を受けていたことが当サイトの調べで分かった。
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公職選挙法違反の可能性の献金も
根本匠議員は福島県第2区の選出で、福島最大の都市である郡山市を含んでいる。この地域はご存じの通り、東日本大震災によって起こった東京電力福島第一原発事故で空中に放出された放射能によって汚染されており、除染作業が事故直後から行われてきた。
その除染に関わった企業から、根本匠厚生労働大臣が代表を務める「自民党福島県第2選挙区支部」は2012年以降6年間で少なくても8社534万円もの政治献金を受けてきた。月一万円で年間12万円という企業がほとんどだが、中には選挙前に5万円、10万円を配っている会社もあった。
これらの献金は政治資金規正法に則り適正に行われており合法的だと思われる。しかし、選挙直前の献金には公職選挙法違反の指摘もある。
復興事業に関わる企業を入れるともっと多額に…
当サイトは自民党福島県第2選挙区支部の政治資金収支報告書から、除染に関わっていそうな会社をピックアップし、ネット上の福島県などのHPに掲載されている入札情報・その企業のHPなどを調べた結果、過去に除染事業を請け負ったことが確認できた会社に絞って集計した。
(参考記事)辺野古利権企業からお金をもらっている政治家たち(沖縄編)
最初にピックアップしたのは主に建設・土木会社だが、この中には除染には関わっていないけれど復興事業にかかわっていた会社もありそうした企業も含めると総額はさらに膨らむことは間違いない。
お金でゆがめられた健康被害
福島第一原発事故以来、福島県では放射能をどう除去するのかという課題を抱えている。しかし、除染は一時的に放射線量を下げることはできるが、雨や風が吹くと山など除染をしていないところから放射能が飛んでくるため、その効果を疑問視する意見もある。また、放射能を避ける方法として、除染以外に予算をさくよう求める声もある。
しかしながら、地元選出の議員、しかも大臣を務めるような政治家が、除染を請け負っている企業から政治献金をもらっていたら、そうした声は国会には届きにくくなるだろう。
当然、根本大臣は政治献金と政策決定は全く別のもので、献金に政策が影響されることはないと答えるだろう。しかし、多くの有権者はそうみないだろう。
福島では、事故当時、18歳未満だった子どもから甲状腺がんが見つかっており、通常の比率(100万人に3人)以上であることは明らかである。除染につける予算を減らしてでも、そうした健康対策に力を注がなければいけない時期にはきているが、大臣を務めるような大物政治家が、除染企業から政治献金をもらっていては政策は当面変わらないだろう。
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