人気低迷をしていた維新を立て直したと言われるのが2019年春に行った大阪W選挙。
それまで大阪府知事だった松井一郎氏が大阪市長に立候補し、大阪市長だった吉村洋文氏が大阪府知事に立候補し、自民党を中心とした大阪の野党統一候補を見事に破り、維新の人気を急回復した選挙で、大きなターニングポイントになった。
そのW選挙で各方面から疑問の声が上がっているのが、両氏の選挙運動収支報告書だ。
河井元法務大臣の問題でも大きな騒ぎになったウグイス嬢。
通常、選挙運動収支報告書には、ウグイス嬢(正確には車上運動員)の報酬について記載されているのだが、大阪市長になった松井一郎氏の選挙運動収支報告書には、ウグイス嬢に払った金額は一日分の上限である1万5千円を一人に対してだけ。支払い日時は、選挙期間中の3月31日。
プロのウグイス嬢には一日しか頼まなかったという報告書だ。
一方、大阪市長から大阪府知事になった吉村洋文氏は、選挙運動収支報告書にウグイス嬢についての記載はなし。
つまり、大阪府知事選挙において、ウグイス嬢は頼まなかった。若しくは、ボランティアで手伝ってくれる人だけで選挙運動を展開したということだ。ウグイス嬢を全てボランティアでまかなっているのならば全く問題はない。むしろ、お金のかからない理想的な選挙運動といえるかもしれない。
しかし、この問題について選挙に詳しい関係者に聞いたところ、「村や町のような小規模の選挙ではあり得るかもしれないが、大阪のような大きなところでの選挙ではあり得ない。ましてや、大阪市長選挙、大阪府知事選挙においては起こりうるのだろうか」と疑問を呈した。
また、違う関係者は「同時に行われた統一地方選挙でさえ、市会議員、府議会議員の立候補者でさえ、プロのウグイス嬢を雇っていた」と証言。
維新の命運をかけた大阪W選挙において、本当にツートップはプロのウグイス嬢に依頼しなかったのだろうか。
注)ウグイス嬢(車上運動員)は絶対に依頼しなければいけないというものではありません。報酬を払った場合には、選挙運動収支報告書に、記載しなければいけないという決まりがあるだけです。